原因不明の症状での長期入院や、不慮の事故での緊急手術などになったことはありませんか?
そのような際、病床代や検査代などでかなり高額な医療を請求をされる可能性があります。
たとえば仮に、100万円の総医療費だった場合、支払いの際、窓口負担割合が3割だったとします。
すると窓口では、100万円の3割、約30万円の支払いが必要になります。
※但し、後日「高額療養費による払い戻し申請」により計算式に適応した金額の払い戻しを受けることになります。
収入・貯蓄に余裕がある方、入院特約等の保険を契約されている方なら、なんとか支払うことはできるのかもしれません。
しかし、貯蓄等も少なく、収入金額以上の請求で支払できなくなる方の方が多いと思います。
私もそうでした。
そのような方は『限度額適用認定証』を利用してはいかがでしょうか。
『限度額適用認定証』を支払窓口に提示することで、「高額療養費による払い戻し申請」が適用された計算式に応じた金額になり、窓口での支払いを軽減することができるのです。
今回は『限度額適用認定証』についてご紹介します。
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知ったきっかけ
私は2016年、原因不明の症状「Iga血管炎」を発症しました。
当初3週間の予定で入院したのですが、容態が悪化したこともあり、2週間程入院期間が延びました。
さらには、内視鏡検査・造影CT検査など、大掛かりな装置を利用した検査も受診しました。
すると、入院費の支払いが高額になりそうな不安を感じたのです。
そんなときに、病院に在席されていた「医療ソーシャルワーカー」さんが、『限度額適用認定証』を提示すれば、窓口支払いを軽減できるアドバイスを下さったのです。
高額療養費の自己負担限度額の区分
70歳未満の高額療養費の自己負担限度額は5区分です。
但し、差額ベッド代、食事代、保険対象外の差分は対象となりません。
区分 ア
標準報酬月額 83万円以上
該当基準 252,600円〈多数該当 140,100円〉
自己負担限度額の計算式 252,600円+(医療費-842,000円)×1%
区分 イ
標準報酬月額 53万~79万円
該当基準 167,400円〈多数該当 93,000円〉
自己負担限度額の計算式 167,400円+(医療費-558,000円)×1%
区分 ウ
標準報酬月額 28万~50万円
該当基準 80,100円〈多数該当 44,400円〉
自己負担限度額の計算式 80,100円+(医療費-267,000円)×1%
区分 エ
標準報酬月額 26万円以下
該当基準 57,600円〈多数該当 44,400円〉
区分 オ
住民税非課税
該当基準 35,400円〈多数該当 24,600円〉
限度額適用認定証を提示した際の支払額
『限度額適用認定証』を支払い窓口に提示した場合の自己負担額の計算例です。
1ヶ月の総医療費 : 100万円
標準報酬月額 : 32万円〈区分 ウ〉
窓口負担割合 : 3割
81,000円 + (1,000,000円-267,000円) × 1% = 87,430円
※但し、差額ベッド代、食事代、保険対象外の差分は対象となりません。
私の場合は、概算所要額230,000円が、117,120円 へ軽減することができました。
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限度額適用認定証発行の手続き
『限度額適用認定証』を利用するには、手続きが必要です。
※私は全国健康保険協会に加入しておりますので、以下はその流れになります。
保険証の確認
手続きを進めるには、健康保険被保険者証が必要です。
※健康保険に加入していないと手続きはできません。
各保険協会に問い合わせ
保険証へ記載のある各健康保険に、『限度額適用認定証』についてお問い合わせください。
各保険協会へ申請
各健康保険の申請手続きに順じて手続きを進めて下さい。
〈例〉全国健康保険協会の『限度額適用認定証』
限度額適用認定証の利用
『限度額適用認定証』を利用するには、支払い窓口に提示する必要があります。
忘れずにご提示ください。
気を付けること
『限度額適用認定証』を利用/手続きするにあたり、気を付けなければならないことがあります。
利用時の注意点
入院先の病院により異なりますが、医療費を月末締めされる場合があります。
その際には、月末までに『限度額適用認定証』を提示する必要があります。
詳細につきましては、各病院にお問い合わせください。
手続き時の注意点
手続きはインターネットなどのオンラインで対応することができず、書類によるやり取りになります。
また、入院してしまい、外出禁止になってしまってからの自身での申請も困難になります。
そのような際には、ご家族または勤務先事務等に申請代行して頂きましょう。
まとめ
高額療養費窓口支払いの自己負担額を軽減するには、『限度額適用認定証』の利用が適切です。
入院された際は、お早めにお手続きされることをおススメします。
みなさんの医療費負担額が軽減され、快方に向かわれますことを祈っております。