日本代表に選出されることは誇らしいことです。
日の丸を背負って戦ってくれる勇姿をみると、元気をもらえます。
野球の日本代表、侍ジャパン。
彼らが着ている紺色のユニフォームは、機能性だけではなく、勝利を願って決定されていたのです。
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侍ジャパンのビジターユニフォームのカラーは紺色です。
色の基になっているのは、日本古来からある藍染めです。
藍染めの色
藍染めの色は、古くから庶民に親しまれた着物の色です。
時代劇に登場する人たちも、よく藍色の着物を着ていらっしゃいますよね。
藍染めの歴史は古く、1,300年以上も前から、日本人に長く愛されてきました。
藍染めは古来より、非常に手間暇を掛けた手作業で、その繊細な色は生み出されています。
藍染めの工程
1.藍という植物の葉を天日干しで乾燥させ、「すくも」という染料を作ります。
2.そこに小麦ふすまと石灰の量を調整しながら混ぜ合わせ、およそ10日間発酵させます。
3.この染料に木綿の糸をゆっくり浸けて、染めていきます。
4.2~3回浸けたところで、糸を引き揚げ絞ります。
5.数回繰り返し、意図する色に染色します。
科学反応
藍染めは科学反応によって、藍色に変色しています。
木綿の糸を、藍染めの染料に浸けて絞った時、糸は緑色に見えます。
しかし、糸を空気に触れさせていくと、緑の糸が藍色に変化します。
糸にしみた染料が、空気に触れることで酸化し、藍色に変化するのです。
藍染めは酸化により色を出しているため、染料がアルカリ性であることを常にチェックします。
また、糸を染料に繰り返し浸すことで、より濃く染まります。
浸す時間や回数で、様々な藍染めの色が生まれるのです。
色の名前
藍染めによってできる様々な色の中で、ある色には縁起の良い別名があるのです。
この色を、侍ジャパンのユニフォームは採用しています。
実は、武士の精神を引き継ぐ剣道着にも、縁起が良いという理由で、その色が採用されているのです。
褐色
よく目にする色の呼び名で、「かっしょく」と読みます。
その場合にはこげ茶色をさします。
しかし、同じ漢字なのに、別の呼び名があるのです。
「かちいろ」と呼ばれる色で、侍ジャパンのユニフォームや、剣道着に利用される色なのです。
同じ漢字であるのに、読み方が違うと、色も違うとは不思議ですね。
平安時代から中世にかけて、古く舎人と呼ばれる人たちが「褐衣(かちえ)」と呼ばれる男性装束の上衣を着ていて、深い紺色でした。
その名残から、鎌倉時代では武士が「勝色」と縁起を担ぎ、好んで使われるようになったというのです。
まとめ
日本古来からの染色、藍染め。
その色のなかには、「褐色(かちいろ)」があります。
「勝ち色」と縁起を担いで、侍ジャパンのユニフォームカラーに採用されています。
色にあやかり、たくさん「勝ち」続けて欲しいですね。
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